第3回「浅草」
2016.12.05
ぼくらの錦糸町
男心に一人旅
「たかが風俗のために遠出をするなんて」
そう思っていた
この人生の中で、一人の男として
あと何回旅に出ることができるだろう
不思議な魅力を放つあの場所へ
モアグループがあなたを案内します
下町と異国
大人のアンダーグラウンドタウン
昼の顔、夜の顔
気まぐれのウィンドウショッピングにも便利な
ショッピングモールが建ちつつも、
下町の情緒が残る東京都墨田区の繁華街は、
昼と夜で遊び方が変わる。
家族連れを避け小路はいれば
ディープなパブや赤提灯が並ぶ。
アジアの下町
南口を出るとJRAの看板が目の前に。
右手すぐ「ぴあきんしちょう」をくぐると
懐かしいテレクラの文字、
電飾看板に迎えられる。
飲食店と老若男女がひしめく駅周辺を抜け、
465号線をあえてはずれて歩くと
外国人パブの看板が並ぶ。
ホテル街、昭和初期に建てられただろう
アパートメントと
韓国料理屋が立ち並ぶ道で振り返ると、
異国の言葉が行き交い、
肌を惜しげもなく見せて女たちが通り過ぎた。
小さな歓楽街の熱気が、
町にたちこめている。
食べる
小さな店がひしめく街
この町では、
男は中華料理屋かラーメン屋に列をなし、
喫茶店で居眠りをする。
夕暮れの時間には
小さな店のカウンターが
埋まり始めていた。
一人で行くには、うってつけの町。
青春のたまり場
喫茶 桃山
錦糸堀公園の近くに
緑色の看板を掲げた喫茶店がある。
白い三本の柱、
小さな扉をくぐると
外観からは想像できない奥行きの店内。
古い調度品に囲まれた３台のテレビからは
オリンピックの勝報が流れている。
店内は数席を残し静かに活気づいていた。
低い天井に一席４人掛け、
光を放つテーブルゲームを目の前に腰を掛ける。
漫画のラインナップは店主の趣味だろうか。
アイスコーヒーは400円。
メニューの豊富さがうれしい。
けむり屋 晏
改札南口から
「ぴあきんしちょう」をまっすぐに抜け、
喧騒から少し遠ざかった角に
小さな焼き鳥屋がある。
幕を下ろした入り口から扉を引くと、
笑顔の店員が席を案内してくれた。
カウンターには一人で来ている客が
穏やかに酒を飲む。
こだわりの地鶏だけでなく、
幅広い趣向に合わせた酒の豊富さが人気の理由。
新鮮な鳥の刺身や、
一日数本しか入らない部位。
「こだわりの店」にありがちな堅苦しさがない
親しみのある名店。
意外と近い
錦糸町
東京の東の端に位置する錦糸町。
一見遠いように感じるが、
実は近隣県への交通アクセスが充実している。
JRは総武線の快速と各停の両方が停車し、
地下鉄は半蔵門線が乗り入れている。
この二路線が乗り入れていることにより
渋谷、新宿、東京駅、秋葉原、品川といった
都内の主要駅から、
また、神奈川の横浜駅、千葉の西船橋駅という
近隣県の主要駅からも
乗り換えなしで行くことができるのだ。
一人電車に揺られながら
錦糸町の街並みと今日の出逢いに想いを馳せ
旅気分を味わうのも良いだろう。
