しなのは激怒した。
必ず、かの邪智暴虐の上司から承認をとらなければならぬと決意した。しなのには権限のない経理内容がわからぬ。しなのは、平社員である。パソコンデスクの前で、画面とにらめっこして暮して来た。けれども定時に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明しなのは家を出発し、徒歩と電車で、十里はなれた此の大都市東京にやって来た。しなのはベランダに栽培しているミニトマトと二人暮しだ。このミニトマトは、近々、収穫される事になっていた。赤い実が熟れるのが間近なのである。しなのは、それゆえ、御馳走買うために、はるばる市に働きにやって来たのだ。
要約
上司の承認が降りないよ~びえーん!!