インドにある総大理石造りの建築物、タージ・マハルは、かつてのムガール帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが1631年に亡くなった妻、ムムターブ・マハルのために建てた霊廟、つまりお墓です。
当時、全盛だったシャー・ジャハーンは、1000頭ものゾウを使ってインド中の大理石を集め、世界中から集めた宝石に2万人の職人の腕を振るわせたそうです。
その完成は妻の没後22年後のこと。
続けて黒大理石を使って、自分の霊廟も作るつもりでしたが、失脚しそれは夢と消えました。
この世界一美しい墓が、1830年代に壊されかけたことがありました。
当時、インドを支配していたイギリス人がタージ・マハルの膨大な大理石に目をつけて、剥がしてロンドンで売ろうとしたのです。
破壊される寸前までいきましたが、直前に大理石がそれほど高く売れないことがわかって、取り壊しは中止になったのです。
勿論、当時はまだ「世界遺産」という考え方はありませんでしたが、それにしても欲に目が眩んだ支配者というのはとんでも無いことを平気でやろうとするものですね。
本日もよろしくお願い致します。
加勢