最近、朝井リョウさんの『正欲』を読み終えました。
とても静かな語り口なのに、読み進める度、心の奥がゆっくりと揺れていくような…
そんな不思議な感覚の残る一冊でした。
誰もが抱えている"言えない部分"や"名前のつかない感情"に、丁寧に光を当てていくような物語で、登場人物それぞれの視点が重なる度、人の輪郭が少しずつ浮かび上がってくる気がしました。
正しさや普通という言葉がどれだけ曖昧で、人によってこんなにも違うのだということ。
それを突きつけられるようで、時々胸が締めつけられましたが、それでも目を逸らさずに向き合いたくなる誠実さがありました。
読後には、簡単には言語化できない余韻が残っていて、しばらく本を閉じたまま考え込んでしまいました。
自分の価値観をそっと揺さぶられる、深い読書体験でした。
本日は出勤していますので、
もしお時間合いましたら…
お逢いできるのを心待ちにしています。
加勢